を買ってしまいました。持ってるDVDはすべて黒沢清監督作品。変な偏り方をしているなぁ、と思わなくもないです。
ゆっくり動くカメラ。つながらない、あるいはつながりの弱いカット。遊んでいるような、もしくは実験のような映像。不安。音。車。自然にある悪意。悪趣味にやけに静かに起こる死。とか。ああ黒沢清だなぁと思い、僕はそれだけで満足してしまったり。映画を映像メインで観ることはないんですが、いや「ドッペルゲンガー」も映像メインで観たわけではないんですが、この映像にはどうにもやられてしまう。「ちょっとどうなの?」というくらいに僕は惹きつけられてしまう(人によっては何でもないものなのかも知れませんが)。別に映像に詳しいわけじゃないんですが。
ユースケサンタマリアが胡散臭く、けれどこの映画自体がおそらくは胡散臭いものとしてあり、嵌っているように思った。後半使われていた変に笑えるおどろおどろしい音楽に、はじめやや引きもしたんですが、これは仕様であり、悪趣味なものであり、胡散臭さなんだろうなと途中で気づいて(いや本当のところはわからないんですけどね。黒沢清なので)からはやたらと楽しめました。
黒沢清にしてはわかりやすいもの。だと思う。すげえ面白かったし。
ただ最近の黒沢清作品は「わかるもの」と言うか「普通に観ても面白いもの」だったりするなぁと。それが決して悪いことだとは思わないんですが、「まったくわからないもの」が観たいという欲求があったりもする。いや、充分満足しているんですが。