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• 格闘する者に○（三浦しおん）

古本屋でぱらぱらっと捲ってみて面白そうだったので。
漫画ばっかり読んでいる女子大生・可南子の就職活動の話。ジャンルで言えば青春エンタでしょうか。ライトノベルでもあるかなと。これはまあ、僕にとってはですが。
「漫画ばかり読んでいたいから」という理由で出版社に就職したがる可南子に、とても共感できた。普段思っているのと同じようなことが書かれていたりと。
登場人物が多いほうだと思う。でも、各キャラクターともしっかり魅力的に（嫌な奴もちゃんと嫌な奴として）描かれているので、入り込みやすかった。漫画ネタがいろいろちりばめられているってのも、入り込みやすかった理由の一つであるように思う。
僕は竹内真という作家の文章がいちばん「合う」のだけど、ちょっと似てるかなと思った。無理をせず無理をさせず、自分にとって自然な言葉で書いている感じ。読みやすい。

マスターは良いことがあると、喜びの陰で、今度は反対にどんな悪いことが起こるだろう、と怯えるタイプなのだ。それは私も同じなので、マスターの思考回路がよくわかる。

なんかよくわかる。こういう「小心者の感覚」を書ける人は好きです。