電撃文庫

まさにライトノベル版『レオン』!

かつてある組織のボスだったシマ。親に捨てられ施設(教会)で暮らしているナツ。どこか翳りのある瞳を持つカガミ司祭。暗殺者として生まれてきたクローン人間のストウ。
連続児童誘拐事件が起こっている街。シマはその護衛として教会に雇われる。
この人は海外ミステリーが好きなんだろうなぁと思った。アクション系の(と、その例になるのが出てこない。詳しくない)。ストーリー展開は上手いと思う。面白かった。ただもうちょっと書き込んで欲しかった。カガミ司祭やストウは主役を食えるくらいのキャラなのに。どちらかを「影の主役」にでき、むしろそうすべきだったと思う。や、面白かったんですけどね。良かっただけにちょっと惜しいと思った。

電撃文庫
第一章は良いけれど、そのあとがちょっと、という噂で。
まあ確かに。第一章が良すぎる。残酷でエゴイスティックでやり切れなくて、だからこその美しい映像。
塩害の原因のアレ具合は僕としてアリですが、それとはまた別に、後半はちょっとキャラクターが喋りすぎだと思った。僕個人として、「男は」とか「女は」とかやられると気分的にひいてしまう。
入江みたいなキャラクター好きなんだけど、あんまし活かしきれてない気がする。が、それでもけっこう面白かった。ただこれを先に読んでいたら、「空の中」は読まなかったかもしれない。正直、この人は化けたなぁと思う。とりあえず第一章がいい。これが「空の中」に繋がるんだなと。

スーパーダッシュ文庫
トンデモかなぁと思っていたらけっこうまともでした。主人公の柔沢ジュウが意外とまともで、そのまともぶりはある種ファンタジーなんだけど、でもそうでなければ救われない。
実際トンデモな部分もあるんだけど、整合性がある感じなのでいいと思う。難を言えば「作者が」ちょっと偶然に頼りすぎかもしれない。謎やトリックが中心ではないミステリー。油断しているとずしりとくる。
あと思ったのは、これ「講談社ノベルスだ」と言われても何の違和感もなく受け入れられるなぁと。

新潮社。
積み上げる。正確にじっくりと。普通で言えば問題作とか衝撃作になるんだけど、古処誠二が描くとその答えに妙に納得してしまう。「ああ、そうか」と。そう思わされることに驚く。鳥肌が立つ。