前半、丁寧に丹念にマリーの心情を刻んでいて、それはすごくいいと思った。ハラハラしたし、続きが気になった。けれど、最後のほうは何だか投げっぱになっているようで、僕としては惜しいところで嵌らなかった。いや、投げっぱでもいいんだけれど、ちと投げすぎじゃないかなぁと。

この人は少女を書き出すのが上手いのだと思う。それが綺麗に嵌れば独特の威力を発揮する。で、嵌ってた、と思う。夏と冬の殺人。友達同士の会話がいい。いとも簡単に気持ちが離れたり、寄ったり。自然に感じた。好きなタイプのラスト。面白かった。

甘酸っぱいな、おい。喰らった。転がった。
http://d.hatena.ne.jp/vacance/20050529
まったくその通りだと思う。続きが読みたい。

ゆったりとした心地のよい時間を得られた。ただ、なんだろう、前評判で期待しすぎたのかもしれない。それほどはこなかった。情報なしで読んでたらまた評価は違ったのかも。嫌いな感じではないんだけど。