図書館だし、自衛隊のそれから離れたのかなと一瞬だけ考えたのですが、

 念願の図書館に採用されて、私は今―――

 毎日軍事訓練に励んでいます。

全然離れてませんでした。
近未来SFになるか。図書館の自由を守ろうとする図書館側と、人権を侵害する表現を取り締まるメディア良化委員会側の戦い。それでも、やっぱり書いているのはまっすぐな人間ドラマ。有川浩は外さない。

 とっさに周囲の目を気にして見回すと、近くにいた初老の店長が痛ましい顔のまま首を横に振った。逆らうな。そう言っているのが分かった。
 分かってくれてる。そう思った瞬間、腹が括れた。

こういった感情の動きを描くのがやたらうまい。けっこう一気に読んだ。なんというか、「名手」という感じだ、有川浩は。


電撃文庫
ホロがいい。キャラクターで話を引っ張ってる。ホロとロレンスの掛け合いを追うのがめっさ楽しかった。終始ニヤニヤし通しでした。そう派手な展開はないんだけど、引き込まれるように読んだ。とてもいいものを読んだように思う。