創元推理がまだはじけてた頃、そこからデビューする作家を読み漁ったりしてました。ミステリーを読む人種なら、似たようなことをやってるんじゃないでしょうか。で、いまだ追いかけてるのが若竹七海貫井徳郎、そしてこの近藤史恵辺り。
日常のミステリー、わりと創元推理のお家芸っぽいやつです。キリコという18歳の清掃員が探偵役。「キレイにする」ことに誇りを持った清掃員。
近藤史恵の書くものは、僕はけっこういたたたってなる(この小説はちょっと違うかもですが)。ほんのちょっとしたことで、ひどい場所に落ち込んでしまうこともある。もちろん、ちょっとしたことではないこともけっこうあって、でも近藤史恵は、それをあえてちょっとしたこととして描いている。ちょっとしたことにできると。甘いのかもしれない。それでもまだ少しは大丈夫、そこまでは厳しくないよと言い続けてる感じがします。そう声高ではなくに。甘いのかも。でも好きなのですよ。