小説

『海の底』(有川浩) 横須賀に巨大甲殻類来襲。 食われる市民を救助するため機動隊が横須賀を駆ける。 孤立した潜水艦『きりしお』に逃げ込んだ少年少女の運命は!? 横須賀に巨大エビが上陸し、人を襲う。それだけ聞くとキワモノのようだけど、書いてある…

『スラムオンライン』(桜坂洋) ハヤカワ文庫。 ネットゲームは麻雀くらいしかやらないし、いまどきの大学生でもないし、だからどこまでそれがリアルに描けているのかなんてわからないけれど。青春小説。心踊る。もやもやする。じりじりする。いくつかのフ…

『神様家族6』(桑島由一) テンションが絶妙。高過ぎず低過ぎず。何度も笑った。このシリーズで、一番ぴったり嵌ったように思う。テンコの暴走っぷりがいい。こういう暴走はテンコならアリ。 それよりも何より、もう、久美子が頑張り過ぎ。ああ、もういい…

『フラグメント』(古処誠二) 新潮文庫。『少年たちの密室』改題。4月26日発売。 えー……。物凄い勢いでいまさら感が漂うんですが、「少年たちの密室」は文庫になってませんでした。何かと勘違いしてました。すみません。ほんと申し訳ないです(私信)。 筆…

『吉永さん家のガーゴイル7』(田口仙年堂) 先に不満点を。ほんとあくまで個人的なものですが。 1、レイジ(敵役)にあまり魅力を感じなかった。 2、百色メインの話なのに、百色の出番が何だか少ない。 3、後味の悪い話になりかけてる気がした(御近所…

『奇蹟の表現』(結城充考) 電撃文庫。 まさにライトノベル版『レオン』! かつてある組織のボスだったシマ。親に捨てられ施設(教会)で暮らしているナツ。どこか翳りのある瞳を持つカガミ司祭。暗殺者として生まれてきたクローン人間のストウ。 連続児童…

今月は田口仙年堂と桑島由一の新刊が出るって話でちょっと小躍り。 それにしても田口仙年堂の刊行ペースはすげえなぁ。ほぼ二ヶ月に一作。

最近読んだのをいくつか。基本的にライトノベル。 『さよなら妖精』(米澤穂信) 創元推理。米澤穂信にはまり気味です。 マーヤを魅力的に書けているかどうかなんだろうと思う。「哲学的意味がありますか?」と聞くマーヤはとても魅力的だった。ほろ苦い。 …

『氷菓』(米澤穂信) スニーカー文庫。 この人、もとから創元推理ですね。日常の謎。キャラクターと人物配置の両方が総合的にいい。ちゃんと無理なく話が流れるように配置してあって、うまいと思う。謎自体に特に驚くようなものはないんだけど、きっちり仕…

『空の中』(有川浩) 恩田陸推薦、ということなので買ったわけですが。 面白かった。SFというか怪獣映画の亜種というか。ウルトラマンの出てこないウルトラマン。悪意のない怪獣。そこから発生する人間ドラマ。以下、ネタバレしそうなので気をつけてくださ…

『春期限定いちごタルト事件』(米澤穂信) 推理物で短編連作。殺人事件は起こらず、最後にひとつの話としてまとめる。という創元推理のお家芸を見事にこなしている。面白い。妙に面白かった。 「小市民を目指す」という、ちょっと変わったキャラの立て方を…

『プリズンホテル秋』(浅田次郎) なんだこれ。すげえよかった。笑いがパワーアップしている。まったくもって奔放に話が転がっていっているのに、最後はきっちり収まっている。力技であるはずのものが自然。ほんとうまいってことなんだろうと思った。 ミッ…

『戦略拠点32098楽園』(長谷敏司) 角川スニーカー文庫。 隠れた名作とどこかで紹介されていて、たまたま立ち寄った本屋でたまたま目に入った。買った。 派手な展開はない。SF。あるロボット兵と少女が暮らす惑星に、敵の降下兵が降りてきて、なし崩し的に…

『吉永さん家のガーゴイル6』(田口仙年堂) ちょっとどうかなぁと思う部分があって2ちゃんを覗いてみたらやっぱり引っ掛かっている人がいて、そこら辺は確かに難しいよなぁと思った(田口仙年堂のスレは程よく廃れてて、いい感じのテンションで議論されて…

『All You Need Is KIll』(桜坂洋) スーパーダッシュ文庫。なのに電撃っぽい表紙。これはもう、編集部よくやったなぁと思った。絵も安倍吉俊。 タイムループ。ボーイミーツガール。延々と繰り返される二日間。戦闘。死。エピソードやアイテムの使い方がす…

『カレーライフ』(竹内真) 原稿用紙1300枚を超える大盛りカレー小説。カレーで1300枚です。文庫で厚さ2センチ半以上……。やっぱりおかしいです(えー?)。 最高カレーを求め世界に散らばったカレー戦士たち。カレーの奥深さに惹かれ、その謎を追っていた…

『プリズンホテル夏』(浅田次郎) 小説というより舞台を観てる気分でした。シチュエーション+キャラクター。「あー、なるほど上手いなぁ」と単純に思った。 たぶん逆の書き方をすべきで、こう思う人ほかにいるのかなぁとも思うんですが、僕は田口仙年堂を…

『ミナミノミナミノ』(秋山瑞人) 秋山瑞人ならもっと…という気持ちもなくはないんですが、それでもやっぱりうまいです。キャラクター。文体。妙にこだわった描写。でも正解。はまる。正時のひね具合なんてほんといい。正確だなぁと。 引用したい文とかいろ…

まあ自分メモとして。 『ミナミノミナミノ』秋山瑞人(1月10日発売) 『吉永さん家のガーゴイル6』田口仙年堂(1月20日発売) 『東京赤ずきん2巻』玉置勉強(1月24日発売) 『カレーライフ』竹内真(1月24日発売) いや何か、自分的に小躍りし…

銀盤カレイドスコープvol.1、2(海原零) あー、一気に読んだ。1巻の中盤あたりから来た。文章的な部分と「幽霊が憑依する」という設定にちょっと引き気味だったんですが、それをふっ飛ばすような勢いがあった。僕は1巻を読み終えてすぐに2巻を買いに行…

南青山少女ブックセンター②(桑島由一) 理想的。ハイテンション過ぎないハイテンション。独特のノリが行き過ぎでも無さ過ぎでもなくて、僕にとってはほんとちょうど良かった。笑かして泣かす。基本というかベタというかそういう感じなんですが、笑かされて…

象られた力(飛浩隆) どこだったか山田正紀に例えられていて、読んで確かに山田正紀を思った。 山田正紀よりも映像的かもしれない。奇想とそれを支える文章。へたをすると陳腐になりそうなネタなのにしっかり読まされた。強い奇想を提示し、それだけでも良…

吉永さん家のガーゴイル5(田口仙年堂) 今回は自分的にはもう一つですね。可もなく不可もなく。 ノリは良い。ママやパパの動きもいいけれど、マッカッチンとリーゼントの暴走に違和感があって。そこまでしないだろうと。するにしたってもっと何か追い詰め…

図書館の神様(瀬尾まいこ) 川端康成や夏目漱石が読みたくなった。そう思わされた。「読み終えたくない」と思うたぐいの本てあるなぁと。朝練てのに笑った。会話がいい。ゆったり、ほろっときた。 バッテリーⅠ、Ⅱ(あさのあつこ) 中学野球の話。児童書らし…

食卓にビールを(小林めぐみ) 小林めぐみを読むのはかなり久しぶり。 内容は簡単に言うとSF小話。程よくグダグダで面白かった。この人はシリーズものとか長いのを書くとほんとグダグダにしてしまうときがあるように思う。こういう小話、「全然気合い入って…

吉永さん家のガーゴイル2、3(田口仙年堂) この人すごいわ。キレるフレーズを持っている。 正しいライトノベル。キャラクターに悩ませ、そのキャラクターがどういう結論を出すのかを見て描いている。キャラクターそれぞれに、型にはまったものではない意…

吉永さん家のガーゴイル(田口仙年堂) ファミ通文庫。 面白かったです。自分的にはすごく良かった。「田口仙年堂」のキーワード内容が的確なので、そっちを見てもらったほうが良いと思う。真っ直ぐなライトノベル、ジュブナイル。派手じゃない。でも飽きな…

格闘する者に○(三浦しおん) 古本屋でぱらぱらっと捲ってみて面白そうだったので。 漫画ばっかり読んでいる女子大生・可南子の就職活動の話。ジャンルで言えば青春エンタでしょうか。ライトノベルでもあるかなと。これはまあ、僕にとってはですが。 「漫画…

神様家族5(桑島由一) あとがきより みなさんは、神様家族のキャラクターの中では誰がお好きですか? 僕は久美子です(即答)。最初はクールなキャラだったはずですが、神山家の毒気に当てられ、今ではあんなです。あんな久美子が大好きです。次の巻では、…

夜のピクニック(恩田陸) キーワードをたどっていたらやたらと好評らしく、思わず買ってしまいました。はてなダイアリーの利便性ってのはこういうところでしょうか。 で、ゆっくりと読んでいってます。一気に読んでしまいたくはない感じ。じっくりと。 「六…